牛タン ブロックの調理方法について
牛タンは、「牛」と英語で「舌」を意味する「tongue(タン)」を合わせた言葉で、牛の舌のこと。1頭の牛から1〜2kgしかとれない稀少な部位です。独特の食感と豊かな風味を持ち、焼肉や煮込み、カレーなど使途も広く人気があります。今回は、牛タンの塊を使った調理方法とレシピをご紹介します。塊の状態での正しい扱い方から、煮込み料理まで、牛タンを存分に楽しむためのポイントを詳しく解説します。
牛タン ブロック肉の切り方について
牛タンの塊を使用する際は、料理によってどの部分を使い、どのように切るかが重要です。牛タンは根元から「タン元(タンカルビ)」「タン中」「タン先」「タン下」と呼ばれます。「タン元」はあまり動かないため、筋肉より脂肪分が多く、タンの中でも最高級の柔らかい部分です。反対にタン先はよく動き筋肉が発達するため、タン元からタン先に向かうにしたがって固くなっていきます。焼いて素材の風味をそのまま味わうならタン元がよいでしょうが、シチューやカレーなどの煮込み料理なら、固めの肉質のタン先やタン下でも充分美味しく食べられます。またタンを上下に切り分け、下の部分がタン下になります。こちらもよく動くため、肉質は硬く、焼肉屋ではミンチなどに加工する場合もあるとか。さて切る際は、筋肉の方向を考えながら切ります。繊維が縦に走っているので、繊維に対して垂直方向にスライスすると食べやすく柔らかい仕上がりになります。厚さは部位と料理によって異なりますが、一般的には1〜2cmの厚さが最適です。
牛タン ブロック肉の下処理について
下処理は、牛タンの食感や風味を左右する重要な工程です。まず、表面の脂肪や固い筋、血管など、余分な部分を取り除き、白い皮(シルバースキン)を少しずつ丁寧に剥がします。次に、牛タンを水にさらして血抜きを行います。1時間ほど経ち水がピンク色になってきたら新たな水に変える、を繰り返し、何回か新しい水にさらします。ドリップや血が残らないよう丁寧に処理することによって臭みが消え、牛タン本来の味わいが引き出されるのです。なおこの時にただの水ではなく重曹と塩を溶かした水を使うと、肉が柔らかくなるのでおすすめ。ただしきれいに洗い流さないと重曹の苦みが残ってしまうので、注意しましょう。 なお当店の「たん先ブロック」は面倒な下処理は必要ありませんが、塩味がついています。圧力鍋などで一度塩味を薄めるとおいしく食べられます。
牛タンシチュー レシピについて
牛タンシチューは、じっくり煮込むことでタンの旨味が溶け出し、極上の味わいが楽しめます。 1.下処理した牛タンを一口大に切り、よく焼きます。 2.玉ねぎ、にんじん、セロリなどの香味野菜とともに鍋に入れ、軽く炒めた後、トマトピューレと赤ワインで煮込みます。 3.ブーケガルニ(ローリエ、タイム、パセリの茎などを束ねたもの)を加え、弱火で2〜3時間煮込みます。ブーケガルニがお肉の生臭さを取り去ってくれます。 4.最後に塩と胡椒で味を調え、生クリームを少し加えてコクを出します。
牛タン煮込み料理について
固めの「タン先」「タン下」も、煮込み料理ならその食感と風味を最大限に生かすことができます。赤ワイン煮やカレー、シンプルな塩煮など、様々な方法で牛タンを味わってみませんか。
牛タンの赤ワイン煮込み
牛タンを赤ワインでじっくり煮込むことで、深い味わいと柔らかな食感が楽しめます。煮込む前に牛タンをしっかりと下処理し、赤ワインと一緒にローズマリーやジュニパーベリーを加えて煮込みます。ジュニパーベリーとはヒノキ科で、熟した実を乾燥させてスパイスとして使うもの。肉の臭みを消してくれるスパイスです。
ほろほろ牛タンカレー
スパイスと共に煮込むと、ほろほろとした食感の牛タンカレーが完成します。カレーパウダー、ココナッツミルク、トマトをベースに、長時間煮込むことでスパイスが牛タンに染み込みます。圧力鍋を使うとトロトロになりますが、シャキ、コリッとした歯ごたえを残しておきたければ無水鍋などでの調理がおすすめです。
とろとろ牛タン煮込み(塩か麹など)
牛タンを半日から1日、塩や麹をまぶしてジップロックに入れ、冷蔵庫へ。取り出した後にじっくり煮込むと、とろとろの食感に仕上がります。ほったらかしなのに牛タンのうま味を最大限に引き出し柔らかく仕上げる、ラクチン調理法です。 これらのレシピで、牛タンの新たな魅力が発見できるでしょう。自宅で本格的な牛タン料理を楽しみたい方は、ぜひ試してみて。
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